• 職員室から

西大路校 永井副校長インタビュー②

 

先生は長年教壇に立たれてきているわけですが、先生が思われる日本語教師の魅力はどういったものでしょうか?

様々な国の人々と交流ができる。様々な文化や言葉に触れることができ、新しい世界を発見することができるのが大きな魅力だと思います。

また日本語学習の経験がゼロだった人たちが、1ヵ月、2か月と学習を進めていくにつれ、話せるようになっていく事が実感できるのも教師としての喜び、楽しみの一つです。

 

これまでの日本語教師の経験の中で、何か印象に残っていることはありますか?

以前日本語もゼロ初級、英語もできない、カンボジアからの学生が参加したことがありました。毎日の授業の内容もそうなんですが、校外学習で京都を案内した時等、こちらから伝えたいことが十分伝えられなかったもどかしさ、学生も聞きたい、知りたいことを言いきれていない悔しさと、お互いにベストなコミュニケーションが取れなかった時ただただ残念で無力を感じました。

 

 

またネパールからの学生を担当した時、ひらがなの読み、書きも学習を終え、しばらく経ってから宿題をチェックしている時に、とてもユニークな不思議な「ひらがな」の字体、書き方を目にする事がありました。文字というものへの個々の捉え方、見え方が違うという事をあらためて感じました。彼らにとって日本の文字(カタカナ、漢字も含め)は絵のように、また記号のように見えているのだと感じました。

 

 

現役の日本語教師の方々やボランティアで日本語教育に携わる方々に、何かアドバイス・メッセージはありますか?

ご自身の日本語に対する感性(外界からの刺激を直感的に印象として感じる能力)を常に高める努力をしていってください。そして文法力の向上を目指すのはもちろんですが、漫画や小説等をよく読んだり、俳句(プレバト)などに触れる機会をたくさん作って、現在使用されている日本語に常に自身の身を置くようにしましょう。言葉は生きた対象です。

3月1日 聞き手:京都民際日本語学校 住田伸夫